下水用空気弁とは?
下水用空気弁は、下水道専用に開発されたもので、弁箱内に空気溜まりを設けることによって 閉塞や漏水を抑制します。
また、高い防食性能も持っています。
設置基準
基本的な設置場所について以下に示します。
No. | 設置理由 |
---|---|
1 | ポンプから混入する微細な気泡、遮断弁の直下流部など、圧力低下で発生した気泡を取り除くために設ける。 |
2, 3 | 管路の凸部、水管橋、橋りょう添架管の中央部など、空気がたまりやすい場所に設ける。この場合の凸部とは、全管路を通じての最高部の意味ではなく、局部的にその付近の最高所であり、水管橋、橋りょう添架管の中央部もこれに相当する。 |
4, 5 | 保守点検あるいは工事作業上など、管内の下水を排出する場合、管内の負圧防止と排水作業を容易にするために、遮断弁の前後に取り付ける。 |
6 | 平坦部から下り勾配に移る地点は、空気がたまりやすいために設ける。 |
7 | 連続する下り勾配で管路勾配が変化すると、空気連行ができなくなり、空気溜まりができやすいために設ける。空気を流れにより流下させるに必要な最小流速はケント(J.C.Kent)の式によって求め、管内流速が限界流速より遅い場合には空気弁の設置を検討する。(ケント(J.C.Kent)の式についてはコチラ(Q12)をご覧ください。) |
8 | 遮断弁と遮断弁との間に凸部のない場合、どちらか高い位置の遮断弁の下流側に設ける。 |
9, 10 | 勾配のない管路でも1kmに2~3個所設置するのが望ましい。 |
バルブ類の選定
外ネジ式ソフトシール 仕切弁 |
外ネジ式金属弁座 仕切弁 |
下水用空気弁 (補修弁付) |
偏心構造弁 | |
---|---|---|---|---|
遮断用 | ◎ | ○ | ― | ― |
管路切替用 | ◎ | ○ | ― | ― |
吸排気用 | ― | ― | ◎ | ― |
ドレン用 | ○ | ― | ― | ◎ |
バルブの機能一覧表
(出典:土木研究所資料 下水道幹線圧送検討資料集)
表1
ソフトシール仕切弁 | 金属弁座仕切弁 | 下水用空気弁 | |
---|---|---|---|
形式 | 外ネジ式 | 外ネジ式 | 補修弁付 |
呼び径(mm) | φ50~φ500 | φ600~φ1000 | φ75 |
使用圧力(MPa) | 0.74 | 0.44 | 0.74 |
最高許容圧力(MPa) | 1.27 | 0.98 | 1.72 |
適用規格 | JWWA B 120 | JIS B 2062準拠 | ― |
フランジ寸法 | JIS G 5527 (ダクタイル鋳鉄異形管)RF形 7.5Kに接続可能 | ||
止水性 | 良好 | 良好 | 良好 |
止水方向の制限 | なし | なし | ― |
特長 |
|
|
|
問題点 |
|
|
|
使用上の留意点 |
|
|
|
表2
偏心構造弁 | 逆止弁 | 逆止弁 | |
---|---|---|---|
形式 | ― | スイング式 | フラップ式 |
呼び径(mm) | φ75~φ500 | φ50~φ1000 | φ300~φ500 |
使用圧力(MPa) | 0.44 | 0.44 | 0.05 |
最高許容圧力(MPa) | ― | 0.98 | 0.98 |
適用規格 | ― | ― | ― |
フランジ寸法 | JIS G 5527 (ダクタイル鋳鉄異形管)RF形 7.5Kに接続可能 | ||
止水性 | 良好 | 良好 | 多少の漏れあり |
止水方向の制限 | あり | あり | あり |
特長 |
|
|
|
問題点 | ― |
|
|
使用上の留意点 |
|
|
― |
機種別構造・材質および寸法一覧表
材 質
番号 | 部品名称 | 材料 |
---|---|---|
1 | 弁 箱 | FCD450(粉体塗装) |
2 | ふ た | FCD450(粉体塗装) |
3 | 弁 体 | FCD450 全面ゴム(EPDM)ライニング |
4 | 弁 棒 | SUS403 |
5 | こ ま | SUS403、SCSまたはC3771 |
6 | パッキン押え | FCD450 |
7 | スリーブ | BC6 |
8 | ハンドル | FC200 |
寸 法(mm、参考、最大)
呼び径 D | 面間 L | H1(約) | H2 | H3 |
---|---|---|---|---|
75 | 240 | 530 | 106 | 220 |
100 | 250 | 610 | 119 | 250 |
125 | 260 | 710 | 132 | 280 |
150 | 280 | 830 | 145 | 330 |
200 | 300 | 1030 | 171 | 420 |
250 | 380 | 1230 | 205 | 480 |
300 | 400 | 1430 | 232 | 580 |
350 | 430 | 1790 | 265 | 650 |
400 | 470 | 1990 | 291 | 730 |
450 | 500 | 2210 | 326 | 800 |
500 | 530 | 2400 | 353 | 880 |
フランジ寸法はJIS G 5527、RF、7.5Kに接続可能
材 質
番号 | 部品名称 | 材料 |
---|---|---|
1 | 弁 箱 | FC200 |
2 | ふ た | FC200 |
3 | 弁 体 | FC200 |
4 | 弁 棒 | SUS403 |
5 | 弁 座 | BC6/SUS304(下水他用) |
6 | こ ま | SUS403 |
7 | パッキン押え | FC200 |
8 | 減速機 | - |
寸 法(mm、参考、最大)
呼び径 D | 面間 L | H1(約) | H2 | H3 | H4 |
---|---|---|---|---|---|
600 | 560 | 2980 | 480 | 940 | 2190 |
700 | 610 | 3450 | 540 | 1080 | 2570 |
800 | 690 | 3730 | 600 | 1200 | 2740 |
900 | 740 | 4260 | 690 | 1340 | 3180 |
1000 | 770 | 4530 | 730 | 1460 | 3380 |
フランジ寸法はJIS G 5527、RF、7.5Kに接続可能
材 質
番号 | 部品名称 | 材料 |
---|---|---|
1 | 弁 箱 | FCD405、SCS13 |
2 | 弁 体 | FCD405、A1BC |
3 | 弁 棒 | SUS403 |
4 | 金属弁座 | SUS304、SCS/特殊ステンレス鋼、A1BC、モネル合金など |
5 | グランドパッキン | 合成ゴム |
6 | 脚 | FC200など |
7 | 操作機 | - |
寸 法(mm、参考、最大)
呼び径 D | 面間 L | H1(約) | H2 | H3 | H4 | H5 |
---|---|---|---|---|---|---|
300 | 400 | 270 | 290 | 760 | 300 | 540 |
350 | 430 | 300 | 290 | 800 | 340 | 560 |
400 | 470 | 350 | 380 | 870 | 380 | 690 |
450 | 500 | 380 | 380 | 910 | 410 | 690 |
500 | 530 | 400 | 380 | 1070 | 450 | 750 |
600 | 560 | 450 | 360 | 1130 | 510 | 770 |
700 | 610 | 500 | 390 | 1190 | 560 | 820 |
800 | 690 | 580 | 390 | 1250 | 630 | 860 |
900 | 740 | 650 | 540 | 1370 | 690 | 990 |
1000 | 770 | 750 | 540 | 1430 | 760 | 1010 |
フランジ寸法はJIS G 5527、RF、7.5Kに接続可能
材 質
番号 | 部品名称 | 材料 |
---|---|---|
1 | 弁 箱 | FC、FCD |
2 | 弁 体 | FCD、SCS |
3 | 弁 座 | 合成ゴム |
4 | ふ た | FC、FCD |
5 | 操作機 | - |
寸 法(mm、参考、最大)
呼び径 D | 面間 L | H1(約) | H2 | H3 | H4 |
---|---|---|---|---|---|
75 | 240 | 150 | 420 | 340 | 305 |
100 | 250 | 160 | 440 | 350 | 310 |
125 | 260 | 180 | 490 | 380 | 320 |
150 | 280 | 210 | 530 | 400 | 330 |
200 | 300 | 240 | 590 | 450 | 410 |
250 | 380 | 270 | 650 | 520 | 450 |
300 | 400 | 320 | 800 | 540 | 580 |
350 | 430 | 350 | 820 | 610 | 600 |
400 | 470 | 390 | 890 | 740 | 670 |
450 | 550 | 430 | 990 | 880 | 800 |
500 | 600 | 470 | 1010 | 900 | 900 |
フランジ寸法はJIS G 5527、RF、7.5Kに接続可能
下水用空気弁寸法図(参考)
【株式会社 クボタ製】
【株式会社 栗本鐵工所製】
高さを抑えた設置例
空気弁室参考図
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FAX : 082-546-0723中国支店
〒730-0013
広島市中区八丁堀16番11号
TEL : 082-222-8202
FAX : 082-227-5056九州支社 バルブ課
〒812-0011
福岡市博多区博多駅前3丁目2-8
TEL : 092-473-2491
FAX : 092-473-2508九州支店
〒812-0016
福岡市博多区博多駅南1丁目3番11号
TEL : 092-451-6624
FAX : 092-471-7696- 横浜営業所
〒222-0032
横浜市港北区大豆戸町360番地
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FAX : 045-402-1724
下水用空気弁の維持管理
点検方法と頻度
- 点検頻度の把握と考え方
- 点検区分
- 点検方法と実施基準
下水用空気弁がメンテナンスを行わずに正常に作動する期間は、流体の性状や運転状況によって大きく左右されます。 従って、その期間を把握しておくことは、適切な維持管路を行っていく上で重要なことです。 目安としては通水後、3ヶ月経過時点で初回の外観点検を実施し、この点検で異常がない場合は外観点検を6ヶ月間隔程度に設定することが可能と思われます。
異常が発見された場合は内部点検を実施し、点検実施後1ヶ月半後に再度外観点検を行ない、この時異常が見られれば再度内部点検を行なうと共に、より短い周期(1ヶ月以内)で内部点検を行なう必要があります。上記点検周期を参考として使用条件に合った点検周期を決定することが望ましいです。
1 通常点検(外観点検):通常点検は、バルブ以外からの点検とし、定期的に巡回点検を行います。
2 定期点検(内部点検):定期点検は、定められた周期でバルブの機能及び動作状況を確認したり、通常点検の結果を参考にして分解・内部清掃や必要に応じて部品交換も行います。
点検方法を以下に示します。
1 外観点検:下水の漏れ、または、漏れた形跡の有無を目視で点検
2 内部点検:内部機構を取り出し、汚泥、シサ等の付着状況を点検
3 分解点検:総分解、点検、清掃
基本的な実施基準は下記の通りとします。1で異常が無い場合は、定期点検時に、2のみ実施。1で異常が認められない場合は、2、3を実施します。
定期点検の予算化
管路や施設を良好な状態で維持するためには、適切な維持管理が不可欠であることは前述の通りです。保守・点検を怠れば弁の破損のみならず管路や施設にも、大きな影響を及ぼすこともあります。この様な事態を避けるためにも、適切な「点検周期」に基づいた維持管理を計画し、直営か委託かの検討を含め、予算化しておく事が肝要です。少なくとも1年に1度は定期的な内部点検の実施が必要です。