Q&A 施工編
- Q01
下水道圧送管路の水圧試験はどのように行うのですか? -
水圧試験の手順は以下の通りです。
- 準備工
- 充水
- 管路の点検
- 水圧試験
- 試験結果の判定
- 管内水の排水
試験水圧は、設計水圧で採用されている水圧を最高試験水圧とします。
詳細は、当研究会資料『下水道圧送管路の水圧試験要領書(ダクタイル管路編)』をご覧ください。注)下水道圧送管路の簡便な試験方法として空気加圧による試験方法を求める要望もありますが、この方法は試験に爆裂等の危険が伴い、また、空気漏洩の判定も技術的に困難であるため、当研究会で推奨しておりません。
- Q02
空気圧による管路の水密性試験は可能なのでしょうか? -
圧送管路で使用されているダクタイル鋳鉄管の簡便な試験方法として、空気加圧による試験方法を求める要望があります。しかし、空気圧による試験は管末部の抜け出しにより、管が爆発的に飛ばされ人身事故に至った例があり、危険を伴うため空気圧で試験を行うことはやめて下さい。
また、空気は水と違い加圧されると圧縮されやすいことや温度変化による管内圧力の変動が起こるため、信頼性の高い試験結果を得るのは困難です。
- Q03
不断水分岐工法ってどんな工法ですか? -
圧送管路において、供用開始後に通水状態のまま分岐設置やバルブ設置を可能にする工法が不断水分岐工法です。この工法は、上水道の給水分岐時に本管を断水することなく施工するために開発されたものですが、下水圧送管においても空気弁の追加設置、バイパス管路のための分岐設置やバルブの追加設置に採用されています。
圧送ポンプ運転時にも若干の管内水の排出のみで分岐・バルブの設置が可能であり、今後の圧送管路の多条化や切回し配管に威力を発揮するものと考えられます。不断水分岐工法の施工手順の概要を以下に示します。
- 既設圧送管の分岐取付部分の掘削後、割T字管と呼ばれる既設管に設置可能な分割型のT字管を取り付け、さらに仕切弁を取り付けます。
- 不断水穿孔機と呼ばれる特殊なコアカッター状の穿孔機を仕切弁に取り付けます。
- 仕切弁を全開にし、穿孔機を始動し、既設圧送管を穿孔します。この時、切削される既設管の管片は水圧で穿孔機側に押され、切屑とともに穿孔機内に取り込まれます。
- 穿孔が完了したら仕切弁を全閉し、穿孔機を撤去します。
引用文献『土木研究所資料 下水道幹線圧送検討資料集』より